2017年春季懇話会(講師:臼井正樹氏・大阪大学大学院経済学研究科講師)
平成29年5月31日(水)、学士会館(東京神保町)にて春季懇話会が開催されました。
OFC(大阪大学大学院経済学研究科・経済学部オープン・ファカルティー・センター)及び法学部青雲会との共催で開催し、臼井正樹氏(大阪大学大学院経済学研究科講師)の講演「日本経済の再生に向けて~アベノミクスをどう評価し、どう見直すべきか」をお聞きしました。
日本経済の最重要課題は「デフレ脱却」への道筋を確実にしていくことですが、「アベノミクスの4年間」の評価については賛否分かれています。「名目GDPは44兆円増加、9%成長した」との評価がある一方、「物価高によって生活は苦しくなった。」との声も聞かれます。神戸大学経営学部卒業後、日本銀行に入行し、金融政策の第一線で活躍してこられた臼井先生から、問題の核心ともいうべき、日本経済の直面する課題について、お話しをお聞きしました。
約70名の同窓が参加し、熱気あふれる講演会となりました。
「威勢の良い言葉」がアベノミクスの出発点(大胆な金融緩和、大型補正、円高是正)。実際の市場は、期待感、量的質的緩和で大幅な株高、円安へ動いた。そして、一時的ながらも景気拡大につながった。しかし、それは一時的効果にすぎず、真の薬効たりえなかった。結果として経済の基本(生産、所得、支出)で「根腐れ」が発生していると、臼井先生は強調されました。「根腐れ状態の植物の腐敗部分を放置したまま、肥料を大量に投与しているのがアベノミクス」との 指摘が印象的でした。
講演後には恒例の懇親会が開催され、今回もおおいに盛り上がりました。
今回も大学渉外本部からスタッフが参加、お手伝いをしていただきました。大学の将来を考える上で、長期的に安定した財政基盤の強化、基金の充実が不可欠です。当会も大阪大学未来基金を支援し、協力していきたいと考えています。
冒頭に当会久保会長、懇親会では青雲会西畑支部長から挨拶がありました。
また、咲耶会(大阪外大、外国語学部同窓会)樽井事務局長からご挨拶をいただきました。